Silicon-Carbon Composite(SCC)

炭素負極の3倍の容量を実現する新しい負極材

情報機器や自動車等の分野では、常に、より容量の大きなリチウムイオン蓄電池(LIB)が求められていますが、負極材として炭素(グラファイト)を用いた既存のリチウムイオン電池は、その容量が理論限界に近づいており、さらなる大容量化のためには、新しい負極材の実用化が必要不可欠です。

そのような中、新たな負極材として、グラファイトの10倍以上、4,200mAh/gの容量を有するシリコンに注目が集まっています。シリコン負極材の課題の一つはサイクル特性にあり、世界各国の大学、研究機関、企業で研究開発が行なわれた結果、良好な研究成果も報告されていますが、それらはグラフェンやシリコン・ナノチューブなどの極めて高価な材料を用いたものであり、実用性に乏しいのが現状です。そこで、当社では、そのような高価な材料を用いることなく、微小シリコンを炭素からなる導電ネットワークに均一に分散させる技術を確立し、現行負極材の3倍以上に相当する1200mAh/g以上の高容量と、良好なサイクル寿命を両立させた革新的負極材「(SCC: Silicon-Carbon Composite)」(特許第5227483号)の開発に取り組んでいます。