2026年屋根置き太陽光の目標策定・報告対応 省エネ法改正で求められる制度のポイントと、太陽光+産業用蓄電池の最適解

特定事業者(原油換算1,500kL以上)が押さえるべき屋根置き太陽光の目標策定・報告ポイント

屋根置き太陽光の導入目標策定と、太陽光+産業用蓄電池の自家消費最適化

設置の義務化ではなく、屋根置き太陽光の導入方針(目標)と進捗(報告)が求められます

2026年度より、年間エネルギー使用量1,500kL以上の特定事業者に対し、屋根置き太陽光の導入目標(方針)の策定が求められます。これは、すべての建物に太陽光の設置を義務付けるものではなく、自社の屋根条件や電力使用状況を踏まえた導入方針を整理することが主眼です。

また、2027年度以降は施設ごとに導入状況や計画進捗の報告が想定されており、未報告や虚偽報告がリスクとなります。そのため、設備導入の可否にかかわらず、事前に屋根条件や電力需要を把握し、説明可能な形で方針を整理しておくことが重要になります。

このページでわかること

  • ⬜ 対象:特定事業者(原油換算1,500kL以上)が中心
  • 2026年:屋根置き太陽光の導入方針(目標)を整理
  • 2027年以降:施設別の設置状況・計画の報告が重要

2026年度から何が変わる?制度の全体像

2026年 屋根置き太陽光の目標策定・報告とは

2040年電源構成目標と屋根活用

政府は2040年度までに太陽光の割合を23〜29%へ引き上げる目標を掲げています。適地の減少に伴い、「既存建物の屋根」の有効活用が国家的な最優先施策となっています。

今回のポイントは、「屋根に太陽光を必ず設置しなければならない」ではなく、「屋根置き太陽光の導入方針(目標)を示し、進捗を報告できる状態にする」ことです。

制度は段階的に整理されており、2026年度は「中長期計画書」への方針記載2027年度以降は施設別に毎年の報告が想定されます。 そのため、設備投資の実行より先に、屋根条件と電力需要の可視化が重要になります。(※制度の詳細[記載項目や提出様式]は運用の更新があり得ます。最新情報は公表資料に沿って確認してください。)


2026年屋根置き太陽光の目標策定・報告対応ガイド

2026年度から義務化!屋根置き太陽光の「目標策定・報告」対応ガイド

2026年度:屋根置き太陽光「導入目標(方針)」の策定・提出

2026年度は、特定事業者が提出する中長期計画書に、屋根置き太陽光の導入に関する方針(定性的な目標)を記載していくフェーズです。 例えば「新築・改築時は原則設置」「一定の屋根条件(耐荷重など)を満たす範囲で段階的に設置」といった、 社内判断の基準(ルール)を明文化しておくイメージです。

ここで大事なのは「いきなり施工」ではなく、社内で説明できる基準づくりです。 屋根の制約(耐荷重・耐震・防水・影・設備配置)と、電力使用(昼夜・季節・ピーク)を整理し、導入可否を判断できる状態にします。

2027年度:施設別の「設置可能面積・導入状況」の報告

2027年度以降は、施設(工場・倉庫・店舗等)ごとに、 設置可能面積や導入状況、計画進捗を報告できる体制が重要になります。 施設が多い企業ほど、情報の粒度(施設別)が肝になります。

報告を怠った場合や虚偽の報告をした場合は、一般に50万円以下の罰金が規定されています。 「未設置」そのものよりも、報告の不備がリスクになる点に注意が必要です。

今回の義務化は、2026年度と2027年度の2段階で施行されます。

年度 求められる対応(イメージ) 社内の準備ポイント
2026年度 中長期計画書に「屋根置き太陽光の導入方針(定性目標)」を記載 屋根条件・電力需要・導入判断基準の整理
2027年度〜 施設別の設置可能面積・導入状況・計画進捗を毎年報告 施設台帳化(屋根面積/耐荷重/築年数/障害物/電力データ)
適用時期 対象範囲 報告書 義務付けられる主な内容 報告頻度
2026年度以降 約1.2万事業者 省エネ法
中長期計画書
屋根置き太陽光パネル導入の定性目標を策定・報告 原則毎年
2027年度以降 約1.4万施設
(1種・2種エネルギー管理指定工場)
省エネ法
定期報告書
施設ごとに設置可能な屋根面積、導入実績、予定出力等を報告(1建屋あたり:1,000m²以上が報告対象) 毎年

対象となる「特定事業者」と注意点

対象となるのは、会社全体の年間エネルギー使用量が原油換算1,500kL以上の「特定事業者」です。 対象企業は約1.2万社規模ともいわれ、製造業に限らず、物流・小売・サービス・自治体など幅広い業種が含まれます。

注意しておきたいポイント

  • ① 設置義務ではなく、目標(方針)策定と報告体制の整備が中心。
  • ② 報告の虚偽や未報告がリスク。施設別の台帳整備を早めに。
  • ③ 屋根の制約を踏まえ、技術的・経済的合理性の判断基準を明確にしておく。

特定事業者に太陽光導入は義務?蓄電池は必要?

省エネ法改正により、特定事業者に太陽光の設置義務が課されるわけではありません。求められているのは、屋根置き太陽光の導入方針(目標)の策定進捗状況の報告です。

蓄電池の導入も義務ではありませんが、太陽光の自家消費率を高め、電気代削減やBCP対策を同時に実現する手段として実務上は非常に有効です。

まずやるべき準備(屋根・電力・経済性の棚卸し)

2026年 屋根置き太陽光のまずやるべき準備

制度対応を「事務手続き」で終わらせず、投資判断まで一気通貫で進めるには、次の4点を整理するのが近道です。

01

屋根条件(設置可能性)

面積、耐荷重、防水、影、設備配置、築年数などから、「設置できる屋根・できない屋根」を切り分けます。

02

電力使用(ピーク・昼夜・季節)

太陽光の自家消費を最大化するには、電力使用の正確な現状把握、今後の電力使用の増減の把握とが重要です。

03

経済性(電気料金・工期・補助金)

料金単価、基本料金、工期、補助金・税制を踏まえ、投資回収の見通しを整理します。

太陽光+産業用蓄電池で得られる4つのメリット

太陽光+産業用蓄電池で得られる4つのメリット

太陽光と産業用蓄電池を組み合わせることで、電気代削減・BCP・脱炭素を同時に実現できます。

屋根置き太陽光は単体でも効果がありますが、産業用蓄電池を組み合わせることで 自家消費率・ピーク対策・停電対策を同時に強化できます。

メリット 具体例
電気代の最適化 ピークカット/ピークシフトで基本料金・従量料金の両面に効く
BCP(停電対策) 自立運転・自動切替で重要負荷への供給を継続(※設備条件により)
脱炭素の加速 太陽光の余剰を蓄電し、再エネ利用率を最大化
補助金・税制の活用 制度・自治体支援の組み合わせにより投資回収を短縮

「太陽光のみ」と「+蓄電池」の決定的な差

止まらない電気代高騰:経営リスクの正体

2021年以降、電力価格は高止まりを続けています。特に法人が直面しているのは、単なる「単価」の問題だけではありません。

3つの不可避なリスク

  • ❶ 燃料調整費の変動:世界情勢に直結するコスト不安定
  • ❷ 再エネ賦課金の増加:政策的なコスト負担増
  • ❸ ピーク電力による基本料金:一瞬の最大需要が1年間のコストを決定

「太陽光のみ」の限界と蓄電池の決定的な優位性

「太陽光のみ」と「+蓄電池」の決定的な差

太陽光のみの限界

発電した電気はその場で使うしかなく、余剰分は「捨てる(抑制)」か「安く売る」事になり、削減効果が低下します。

蓄電池による「最大化」

昼間の余剰を貯め、最も単価が高い時間帯や需要ピーク時に放出。電気代の基本料金と従量料金の両方を引き下げます。

屋根置き太陽光の自家消費を最大化するには、用途・設置環境・規模に応じて最適化された産業用蓄電システム(LUVIS®/BLP®/コンテナ型大型蓄電システム) の活用が有効です。

電気代削減とBCPを最大化する、施設特性に応じた自家消費最適プラン

業界 課題 解決策(最適解)
物流倉庫 広い屋根はあるが夜間の電力消費が少ない 太陽光+LUVIS®:昼間の余剰を蓄電し、早朝・深夜の仕分け作業に活用。
製造工場 日中のデマンドピーク(最大需要)が高い 太陽光+BLP®:ピークカットにより基本料金を削減し、2026年目標にも対応。
大規模事業所・プラント メガワット級の膨大な余剰電力が発生し、炭素コスト(排出量取引)の抑制も急務 太陽光+コンテナ型大型蓄電システム:大容量(最大8.6MWh)の一括制御で、大規模施設の脱炭素とエネルギー自立を完遂。

自家消費を最大化する設計ポイント(ピーク対策/停電対策)

太陽光導入の効果は、発電量だけでなく「使い方(負荷)」と「貯め方(蓄電池)」で大きく変わります。 典型的には、昼間の発電余剰を蓄電し、夕方〜夜間や料金が高い時間帯に放電することで、購入電力を抑えます。

設計で押さえるべき3つの要点

  • ① 太陽光の余剰と負荷のズレを埋める 容量(kWh) 設計
  • ② ピークカットに効く 出力(kW/kVA) 設計
  • ③ 停電時に守る設備を決める 重要負荷 設定(自立運転・自動切替)

EPC・施工業者・商社が今、取り組むべき「提案型ビジネス」の形

EPC・施工業者・商社が今、取り組むべき「提案型ビジネス」の形

制度対応は、「設備を売る」から「判断材料を提供する」フェーズに入っています。今回の制度改正は、単なる設備の販売ではなく「コンサルティング型受注」へと転換する大きな機会です。屋根置き太陽光の目標策定・報告が求められる中で、顧客自身が把握できていない情報や判断軸を補完する提案が、EPC・施工業者・商社の付加価値になります。


次世代の提案型ビジネスへ(EPC・施工業者・商社向け)

提案型ビジネスで求められる3つの視点

① エンジニアリング調査の代行

多くの企業は屋根の積載荷重や構造条件を把握できていません。設計図書の探索支援や、ドローンを活用した屋根診断を組み合わせた初期調査提案が有効なフックになります。

② 物理的障壁を前提にしたポテンシャル提案

「耐荷重不足で設置不可」と判断された屋根でも、軽量パネルなどを視野に入れた整理により、報告書上の設置ポテンシャルを最大化できます。

③ 高度なフィナンシャル・シミュレーション

30分デマンドデータを活用し、自己所有とPPAの比較や、蓄電池併用による投資回収期間の最適化を定量的に示すことで、意思決定を後押しできます。

制度対応の本質は「設置するか否か」ではなく、 どこまで検討し、どう説明できるかにあります。 提案の質が、そのまま受注価値に直結するフェーズに入っています。

CONNEXX SYSTEMSの支援内容(シミュレーション・補助金)

CONNEXX SYSTEMSは蓄電池を中心とした最適なエネルギーソリューションをご提供します

CONNEXX SYSTEMSは蓄電池メーカーの強みを生かした総合的な設計提案で、お客様の課題解決に貢献します。各パートナー(EPC・EMS・アグリゲーション・シミュレーション・補助金代行等)とのリレーションシップを最大活用して多様なニーズに対応、全体設計を支援するコンサルティングが可能です。ぜひご相談ください。

太陽光発電・産業用蓄電池の導入は、 中小企業経営強化税制(即時償却・税額控除)などの 優遇措置を活用できる場合があります。制度適用の可否も含めてご相談いただけます。

製品ラインナップ(太陽光併用・BCP対応)

CONNEXX SYSTEMSが提供する蓄電池ソリューション

CONNEXX SYSTEMSの産業用蓄電池は、自家消費型太陽光発電との高い親和性を持ち、電力の最適運用による電気代削減を実現します。日中に発電した太陽光電力のうち、使用しきれない「余剰分」を蓄電池に充電。夕方以降やピーク時間帯に放電して使うことで、買電量を抑制し、電気料金の削減につながります。さらに、ピークカット・ピークシフト対応、停電時のバックアップ電源としての活用(BCP対応)など、多機能かつ高信頼なエネルギーソリューションを提供。自社の電力を「つくって、ためて、つかう」賢いエネルギー運用が可能になります。

産業用蓄電システム BLP(標準モデル)

産業用蓄電システム BLP®(標準モデル)

自家消費・ピーク対策・停電対策を1台で。工場・倉庫・商業施設で広く採用される汎用モデルです。

産業用蓄電システム BLP(塩害対策モデル)

産業用蓄電システム BLP®(塩害対策モデル)

港湾部・海岸エリア向け。耐塩・長寿命設計で、屋外設置環境でも安定稼働を支援します。

産業用蓄電システム LUVIS(太陽光自家消費向け)

産業用蓄電システム LUVIS®(太陽光自家消費向け)

太陽光の自家消費に強いモデル。余剰の有効活用や購入電力の削減に適します。

コンテナ型大型蓄電システム(大規模)

コンテナ型大型蓄電システム

大規模施設・自治体のレジリエンス強化に。大容量・短工期で、拠点の防災力向上に貢献します。

よくあるご質問(屋根置き太陽光の目標策定・報告)

Q. 特定事業者は太陽光を設置する義務がありますか?

設置そのものが義務付けられているわけではありません。 省エネ法改正では、 導入方針(目標)の策定進捗状況の報告 が求められます。

Q. 太陽光や蓄電池の導入に使える補助金や税制優遇はありますか?

中小企業経営強化税制による即時償却や税額控除などの優遇措置、自治体ごとの補助金制度が活用可能です。投資回収期間を短縮するためにこれらを組み合わせるのが有効です。

Q. 導入前にシミュレーションを行うことは可能ですか?

はい、可能です。30分デマンドデータを活用し、自己所有とPPAの比較や、蓄電池併用による投資回収期間の最適化を定量的に示すことで、精度の高い経営判断を支援します。

Q. 特定事業者は蓄電池も必ず導入する必要がありますか?

蓄電池の導入は義務ではありません。 ただし、太陽光の余剰電力を有効活用し、 自家消費率やBCP対応力を高める観点から、 多くの企業で採用が進んでいます。

Q. 屋根の条件で太陽光を設置できない場合はどうなりますか?

耐荷重・耐震・防水・影などの制約により設置できない場合もあります。 その際は、 技術的・経済的合理性の判断基準 を整理し、説明できる状態にしておくことが重要です。