産業用蓄電池の自立運転･自動切替とは停電時も電力を止めないBCP対策の考え方

蓄電池の自立運転とは？停電時に電力を供給する仕組み

自立運転・自動切替で実現する設備停止リスクの低減

工場・物流施設・自治体施設では、停電による設備停止が大きな事業リスクとなります。生産ラインや制御機器、冷蔵・冷凍設備などは、短時間の停電であっても業務の中断や復旧作業が発生するケースがあります。こうしたリスクに対して、産業用蓄電池の「自立運転」と「自動切替」を活用することで、系統停電時でも重要設備への電力供給を継続できます。停電発生時に蓄電池が自立運転へ切り替わることで、設備停止による損失や復旧負担を抑え、事業継続性（BCP）の強化につなげることが可能となります。

■ なぜ今、産業用蓄電池の自立運転・自動切替が求められるのか

■ 産業用蓄電池の「自立運転」とは

■ 知っておきたい「停電の種類」と設備への影響

■ 停電時に自動で切り替わる「自動切替」機能

■ よくあるご質問（蓄電池の自立運転・自動切替）

■ BLP®の自立連携運転と拡張性

■ 導入前に確認すべきチェックポイント

■ 自立運転・自動切替が活躍する施設

■ CONNEXX SYSTEMSの蓄電池が選ばれる理由

なぜ今、産業用蓄電池の自立運転・自動切替が求められるのか

近年、落雷・台風・地震・系統トラブルなどによる突発的な停電リスクが増加しています。工場や物流施設では、数秒の停電でも生産ライン停止・製品ロス・復旧コスト増大といった深刻な影響を及ぼします。こうした背景から、燃料補給や起動時間が必要な非常用発電機だけでなく、即時に電力を供給できる産業用蓄電池がBCP対策の中核として注目されています。

産業用蓄電池の「自立運転」とは

自立運転とは、電力会社の系統から切り離された状態でも、蓄電池が独立した電源として電力供給を行う運転モードです。

系統停電が発生すると、蓄電池は系統連系を遮断し、あらかじめ設定した重要負荷（非常用負荷）に対して電力供給を継続します。これにより、工場の制御機器や通信設備、冷蔵・冷凍設備など、停電時にも停止させたくない設備を稼働させることが可能となります。

自立運転のポイント

燃料補給や起動操作が不要（停電時も即応）
電気のみで即時に電源を確保
重要負荷を選択して電力供給が可能

なお、自立運転では供給できる電力に上限があるため、負荷の選定や必要出力を整理したうえで、用途に応じた容量・構成を設計することが重要となります。

知っておきたい「停電の種類」と設備への影響

スワイプしてご覧いただけます。

停電の種類	内容	設備への影響
瞬低	数ミリ秒〜数秒の電圧低下	制御機器・PLCが停止する場合あり
短時間停電	数秒〜数分	生産ライン停止、再起動が必要
長時間停電	数十分〜数時間	操業停止・冷凍冷蔵品の劣化

BCP対策に産業用蓄電池の活用

公共施設･学校･避難所等のBCP対策に産業用蓄電池

停電時に自動で切り替わる「自動切替」機能

自動切替機能を備えた産業用蓄電池は、系統停電を検知すると自動的に自立運転へ切り替わります。人の操作を必要としないため、夜間や無人時でも重要設備への電力供給を継続できます。

一方で、自動切替は「無瞬断」を保証するものではありません。停電検知から切替完了までの間に、短時間の瞬断が発生する場合があります。そのため、制御機器や生産設備などを保護するためには、設備ごとの許容瞬断時間を事前に確認したうえで、用途に応じたシステム構成を設計することが重要です。

自動切替・手動切替に関する補足

自動切替を採用する場合は、あらかじめバックアップ対象となる機器（重要負荷）を設定しておく必要があります。
自動切替を使用しない構成とするケースもあり、運用方針や蓄電池の仕様に応じて、人の操作による電力供給が行われる場合もあります。

よくあるご質問（蓄電池の自立運転・自動切替）

Q. 蓄電池の自立運転は無瞬断ですか？

自立運転への切り替え時には、システム構成によって瞬断が発生する場合があります。無瞬断を求められる設備については、UPSとの併用や、瞬断許容時間を考慮した設計が重要です。

Q. 自立運転ではどれくらいの時間、電力を供給できますか？

供給可能な時間は、蓄電池の容量（kWh）と接続する負荷によって異なります。停電時に必要な出力と運転時間を事前に整理することで、適切な蓄電池容量を設計できます。

Q. 自動切替と手動切替はどちらが良いですか？

夜間や無人時の対応が必要な場合は自動切替が有効です。一方で、運用状況に応じてバックアップ機器を選択したい場合は、手動切替を採用するケースもあります。施設の運用方針に応じた設計が重要です。

産業用蓄電システムBLP®の自立連携運転と拡張性

産業用蓄電システムBLP®は、複数台を同一系統内で並列接続することで、自立連携運転を行うことが可能です。最大4台まで同一系統内に並列接続でき、最大120kVA（自立運転時は30kVA出力×4台）／294.8kWhまでシステムを拡張できます。

自立連携運転により、1台構成では出力が不足する機器にも対応でき、エアコン・冷蔵庫・冷凍庫・ポンプなど、始動電流の大きなモーターやコンプレッサを使用する設備の運転が可能になります。

なお、複数台による自立連携運転を行う場合は、すべての蓄電システムが自立連携運転モードに切り替わった後に負荷を接続する必要があります。このため、自立連携盤（オプション）が必要となります。導入条件や構成については事前にご相談ください。

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導入前に確認すべきチェックポイント

自立運転・自動切替対応の産業用蓄電池を導入する際は、以下の4点を整理することで、最適な容量・構成を検討できます。

停電時に止められない設備

生産ライン、制御装置、冷蔵・冷凍設備など、
優先的に電力供給すべき負荷を明確にします。

必要な出力（kVA）と運転時間

停電時に必要な出力（kVA）と、
想定する運転時間を整理します。

起動電流の大きな機器の有無

空調・ポンプ・コンプレッサなど、
起動時に大電流を必要とする設備を確認します。

単機構成か複数台連携か

単機で対応可能か、
複数台連携による構成が必要かを判断します。

産業用蓄電池の自立運転・自動切替が活躍する施設

停電時でも事業や施設機能を維持する必要がある現場では、電力供給の途絶がそのまま業務停止や安全リスクにつながります。自立運転・自動切替対応の産業用蓄電池を導入することで、系統停電時でも重要設備への電力供給を継続でき、施設の用途や運用に応じたBCP対策を実現します。

工場

生産ラインや制御設備の停止を防止し、
再立ち上げロスを最小限に抑えます。

物流倉庫

冷蔵・冷凍設備の電源を確保し、
食品ロスや品質劣化リスクを低減します。

自治体施設

防災拠点・避難所として、
停電時も照明・通信・空調を維持します。

商業施設

空調・照明の継続運転により、
来館者の安全と快適性を確保します。

CONNEXX SYSTEMSの蓄電池が選ばれる理由

CONNEXX SYSTEMSが提供する蓄電池ソリューション

CONNEXX SYSTEMSの産業用蓄電池は、停電発生時に自立運転へ切り替え、重要負荷への電力供給を継続できる設計をベースに、用途・規模に応じたラインナップを展開しています。

製品ラインナップの比較